【経営の裏側】スターバックスはコーヒー屋の仮面をかぶった金融機関!?

ビジネス

「スタバ行こっか」

何気ない日常会話でよく聞かれるこの言葉。でも、あなたがスターバックスに求めているものは、本当に「コーヒー」なのでしょうか?

今回は、“スタバ=コーヒー屋”という常識をくつがえす視点から、スターバックスが実はコーヒー以外で成り立っている理由を深掘りしていきます。


スターバックスが売っているのは「体験」

スタバが他のカフェと大きく違うのは、単にドリンクを提供するだけでなく、空間・時間・接客を含めた「ブランド体験」を提供している点にあります。

例えば、

  • Wi-Fiがあるから仕事や勉強ができる
  • おしゃれな空間で落ち着ける
  • 名前で呼ばれるパーソナルな接客
  • 季節限定のフォトジェニックなドリンク

これらはすべて、「コーヒー」の味や品質以上に、お客さまの“心地よさ”にフォーカスしているのです。


実はフードやグッズが利益の柱!?

スタバのメニューを見ると、意外にもコーヒー以外の商品が充実しています。たとえば:

  • フラペチーノやティービバレッジ
  • スイーツ・サンドイッチなどのフード
  • タンブラーやマグカップなどのオリジナルグッズ

これらは単価も高く、リピート性も高いため、コーヒー以上に利益率が高い商品といわれています。

実際、スターバックスの年次報告書では、コーヒー以外の売上比率が年々増加傾向にあるというデータも。


現金が要らない!? スタバカードの「入金(チャージ)」が生むビジネス効果

スターバックスがビジネス的に非常にうまく設計しているのが、スターバックスカード(プリペイドカード)への入金(チャージ)です。

スタバのヘビーユーザーの多くは、現金ではなくアプリやカードに事前にチャージして利用しています。この仕組みには、実は以下のような優れたビジネス的効果があるのです:

  • キャッシュフローが先に得られる(資金を“前払い”でもらえる)
  • 未使用残高(ブレイクエージ)も収益になる可能性がある
  • カード保有=ロイヤルカスタマーとしてリピート率アップ
  • モバイルオーダーなど、顧客データを蓄積しやすい

つまり、スターバックスカードは、単なる「便利な支払い手段」ではなく、金融×マーケティングが融合した優秀なビジネス装置でもあるのです。


ブランドビジネスとしてのスターバックス

スタバの強みは、「どこで買っても同じ体験が得られる」ことです。つまり、

「ブランド」が商品を売っているとも言えます。

スタバに行けば安心できる。ちょっと気分が上がる。誰かと一緒に行く理由になる。これらの感情価値こそが、他のコーヒーチェーンとの最大の違いです。


競合とは「カフェ」ではなく「ライフスタイル」

スタバの競合は、実はドトールやタリーズなどのカフェではなく、アパレルやアプリ、YouTube、ワーキングスペースかもしれません。

なぜなら、スタバが奪おうとしているのは「コーヒーのシェア」ではなく、「時間」と「気分」だからです。

お金を払ってでも居心地よく過ごしたい。そんなニーズを満たす場所として、スターバックスは存在しているのです。


まとめ:スターバックスは“コーヒー屋”ではない

確かにスターバックスはコーヒーを提供する店です。

でも、その本質は、「コーヒーのある豊かな時間」を提供するライフスタイルブランド。だからこそ、多少価格が高くても、多くの人が通い続けるのです。

さらに、スターバックスカードという入金(チャージ)モデルを活用することで、資金面でも極めて優位なビジネス構造を築いています。

「スタバ行こっか」──その一言には、ちょっとだけ特別な気分を求める、現代人の感情が隠されているのかもしれません。


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