「8時間寝ているのに疲れがとれない」
「4時間しか寝てないのにバリバリ活動している人がいる…」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
実は睡眠には「長さ」よりも「質」が重要。短時間でも回復できる“ショートスリーパー”の存在や、美容界隈で有名な“シンデレラタイム神話”の真実など、眠りにはまだまだ知られていないことがたくさんあります。
今回は、睡眠の質を高めるための知識と、成長ホルモンの分泌の仕組みを解説します。
ショートスリーパーとは?
ショートスリーパーとは、1日4〜5時間程度の睡眠でも問題なく活動できる体質の人のことを言います。
代表例には:
- ナポレオン(約3時間)
- トーマス・エジソン
- ビジネス界の著名人たち(孫正義氏など)
この体質は遺伝的なものであり、無理に真似すると自律神経やホルモンバランスを崩すリスクがあります。睡眠を削って成功したように見える人も、実は昼寝や工夫を取り入れていることが多いのです。

質のよい睡眠とは?
睡眠の質は、「どれだけ深く眠れたか」で決まります。特に重要なのがノンレム睡眠(深い眠り)です。
以下のような習慣が睡眠の質を高めます:
- 寝る90分前にお風呂に入る
- 寝室を静かに・暗く・涼しく保つ
- スマホやブルーライトを避ける
- 朝の光を浴びて体内時計を整える
睡眠時間を確保することも大切ですが、どの時間帯にどれだけ“深く眠れるか”がポイントです。

シンデレラタイムはガセだった!?
かつて「夜10時〜深夜2時が“お肌のゴールデンタイム”」と信じられていました。これがいわゆる“シンデレラタイム神話”です。
しかし、最新の研究では「何時に寝るか」より「入眠後すぐの深い眠り」が重要であることが明らかになってきました。
つまり、必ずしも22時に寝なければならないわけではなく、生活リズムに合った時間に深く眠ることが、美容や健康において大切なのです。

「ゴールデンタイム神話」が広まった背景
この神話が広がったのは、1980〜90年代の美容雑誌や健康本が発端です。
当時はまだ睡眠研究が発展途上で、「成長ホルモン=夜中に分泌される」という理解が先行し、“22時~2時に寝ないとダメ”という固定観念が作られました。
その後、美容業界や健康食品業界がこの情報を活用して、マーケティングとして使われた結果、一般にも定着していったのです。
現在では、時間より“深い睡眠”の質が重視されるようになっています。

成長ホルモンの分泌パターンはこうなっている
成長ホルモンは眠りに落ちてから最初の深いノンレム睡眠のタイミングで最も多く分泌されます。以下の図をご覧ください。
グラフを見ると、就寝直後(23時〜1時頃)に分泌がピークとなり、その後は緩やかに低下していきます。つまり、入眠直後の深い眠りがしっかり取れれば、多少寝る時間がずれても問題ないのです。

まとめ:自分に合った睡眠リズムを大切に
「睡眠時間が短いから不健康」「夜更かししたから美肌が損なわれた」——こうした常識は、実は思い込みかもしれません。
科学的に正しいのは、入眠直後にしっかり深く眠ること。そして、ショートスリーパーを無理に真似することはおすすめできません。
大切なのは、自分に合った睡眠スタイルを見つけ、質の高い眠りで体と心を回復させることです。
🔜 次回予告:知らないと損する“漢方”という選択肢
病院では当たり前のように西洋薬が処方されますが、体質・体調に合わせた処方ができる「漢方」も、近年改めて注目されています。
慢性的な疲れ・冷え・自律神経の乱れなど、「なんとなく不調」への対応に強いと言われる漢方とは?
次回は、現代人が知っておきたい“もう一つの選択肢”としての漢方についてご紹介します。

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