近年、「住宅ローンの支払いが厳しい」「破綻する家庭が増えている」といった声が増えています。
実際に統計上はまだ急激な増加は見られないものの、将来的に“破綻予備軍”と呼ばれる層が急増していることが懸念されています。
本記事では、住宅ローン破綻が増える背景にある社会情勢3つの要因と、将来に備えるための対策をご紹介します。
理由①:金融機関の“貸しすぎ”と無理な借り入れの常態化
ここ10年ほど、住宅ローンの審査が緩和され、頭金ゼロの「フルローン」や、家具・諸費用まで含めた「オーバーローン」が急増しています。
その結果、年収に対して過剰な借入をしてしまうケースも少なくありません。
金融機関から借りられる=返せる、という錯覚が根強く、将来の収入変動や家計変化に備える余裕がない返済プランが、破綻のリスクを高めています。

理由②:実質賃金の低迷と生活コストの上昇
住宅価格や生活費は年々上がっている一方で、日本の実質賃金はほとんど伸びていません。
特に30代~40代の子育て世代は、教育費や食費などの支出も重なり、毎月のローン返済が家計を大きく圧迫。
加えて、社会保険料や税負担も増えており、「収入は変わらないのに生活が苦しい」という声が多く聞かれます。
住宅ローンは長期にわたる契約のため、このようなコスト増の影響をじわじわと受け続けるのです。

理由③:晩婚・高齢化による長期ローンと“金利リスク”
晩婚化により、住宅購入のタイミングが遅れ、40代・50代でローンを組むケースが増加しています。
これにより、返済期間が60代~70代まで伸び、退職金や年金に頼る返済計画が一般的になってきました。
しかし、退職金は過去と比べて大きく減少しており、将来の収入が読みづらい時代に突入しています。

▶ 変動金利の金利上昇が家計に与える影響
現在、日本の住宅ローンの約7割以上が「変動金利型」。
低金利が続くことを前提に契約している人が多い中、もし日銀の金融政策変更により金利がわずかに上がるだけでも、月々の返済額が大幅に増加するリスクがあります。
たとえば、金利が0.5%→1.5%に上昇すると、借入残高によっては月々数万円の返済増になることも。
すでに生活がギリギリな家庭では、このような変化に対応できず、延滞や破綻に至るケースが現れ始めています。
✅ 今“破綻予備軍”にならないために、できること
対策 | 内容 |
---|---|
借入額の見直し | フルローン・オーバーローンではなく、頭金を確保して無理のない借入を |
固定金利の選択 | 将来の金利上昇に備え、固定金利型ローンへの借り換えも視野に入れる |
返済比率の管理 | 住宅ローン返済額は年収の25~30%以内に抑えることを推奨 |
生活費の見直し | 支出を管理し、貯蓄や非常時の備えを確保しておく |
将来計画の立案 | 子供の進学・介護・転職なども想定して返済プランを立てる |
まとめ:住宅ローンは「借りてからが勝負」
住宅ローン破綻のリスクは、借りた瞬間ではなく「借りた後の生活設計」に左右されます。
特に変動金利を選択している方は、将来的な金利上昇が家計にどれほど影響を及ぼすのか、今一度試算してみることをおすすめします。
無理のない計画と、早めの見直しが、「マイホームの夢」を守る最大の防衛策です。

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