「保険でお金を増やせるなんてお得!」
そう思って貯蓄型保険に加入しようと考えていませんか?
貯蓄型保険とは、万が一の保障と将来に向けた資産形成の両方を兼ね備えた保険商品です。しかし、その「貯蓄」という部分には、多くの人が誤解している落とし穴が隠されています。
今回は、特に見落としがちな貯蓄型保険のデメリットを5つご紹介します。
1. 元本割れのリスクがある
貯蓄型保険の最大の誤解の一つが、「必ずお金が増える」という認識です。
多くの場合、契約期間中に解約すると、それまでに払い込んだ保険料の総額よりも、解約時に受け取れるお金(解約返戻金)が少なくなる「元本割れ」が発生します。
特に、契約から10年未満など、早い段階で解約すると、払い込んだお金の半分以下しか戻ってこないことも珍しくありません。

2. インフレに弱い
貯蓄型保険は、将来受け取れる金額が、契約時にある程度決まっています。
しかし、日本経済がインフレ(物価上昇)になった場合、お金の価値は下がってしまいます。例えば、20年後に1,000万円を受け取っても、その1,000万円の価値が、今の1,000万円より低くなってしまう可能性があるのです。
貯蓄型保険は、預貯金と同様にインフレリスクを考慮する必要がある商品です。

3. 保険料が割高になりがち
掛け捨て型の保険と比べて、貯蓄型保険は保険料が割高になります。
これは、将来の解約返戻金や満期保険金に充てられる「貯蓄部分」の保険料が上乗せされているためです。
「貯蓄もできて保障もつくからお得」と安易に考えてしまうと、家計を圧迫してしまう可能性があります。

4. 途中で引き出しができない
急な出費でお金が必要になったとき、貯蓄型保険は基本的に途中で引き出すことができません。
解約すればお金は戻ってきますが、上記で述べたように元本割れのリスクがあります。また、保険自体がなくなってしまうため、保障も失ってしまいます。
もしものために貯めているお金なのに、本当に必要なときに自由に使えないのは大きなデメリットと言えるでしょう。

5. 運用利回りが低い
「貯蓄」と銘打たれてはいるものの、その運用利回りは決して高いとは言えません。
多くの場合、予定利率は1%未満など、ごくわずかです。
最近は、ネット銀行の定期預金や、NISA・iDeCoといった国が推奨している資産運用制度のほうが、より高い利回りを期待できるケースが多くあります。

まとめ:貯蓄型保険は万能ではない
貯蓄型保険は、保障と貯蓄を両立できる魅力的な商品ですが、万能ではありません。
「元本割れ」のリスクや、家計への負担、インフレへの弱さなど、多くのデメリットが存在します。
もし、あなたが貯蓄型保険を検討しているのであれば、まずは「なぜ保険に入るのか」「何のためにお金を貯めたいのか」を明確にすることが大切です。
そして、他の金融商品とも比較して、自分に合った最適な方法を見つけることが、将来の安心につながります。
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