ここ数年、大手保険会社各社が「業界最安水準」「月々〇〇円から」といった、非常に保険料の安い商品を次々と打ち出しています。40代後半、保険や共済を学びFPを目指している私自身も、正直「ここまで安くて本当に大丈夫なのか?」と感じることがあります。
今回は、なぜ保険料はここまで安くできるのか、そして多くの人が誤解しがちな『掛け金以上に受け取れる可能性』の現実について、できるだけ分かりやすく解説します。
大手保険会社は「株式会社」であるという前提
まず大前提として知っておきたいのが、生命保険会社や損害保険会社の多くは株式会社であるという点です。株式会社である以上、そこには株主が存在し、企業は利益を出し続ける責任があります。
つまり、保険会社は「加入者のためだけ」に存在しているわけではありません。
事業として成り立たせ、利益を出し、株主に還元する必要がある――これが現実です。

保険料が安い理由は「確率」と「統計」
では、なぜ保険料を安くできるのか。答えは非常にシンプルで、確率と統計です。
保険は「万が一」に備える仕組みですが、その万が一が起きる確率は統計的にかなり低いことが前提になっています。
- 若いうちは死亡・入院リスクが低い
- 医療技術の進歩で入院日数は短期化
- 重い保障を使う人はごく一部
このようなデータを基に、「ほとんどの人は保険金を満額受け取らない」ことを前提として保険料が設計されています。

掛け金以上の保障を受け取るのはなぜ難しいのか
私自身、家計相談や身近な相談を受ける中でよく聞くのが、
「せっかく保険料を払っているのだから、元は取りたい」という声です。
しかし、確率論で考えると、掛け金以上の保険金を受け取れる人はごく少数になります。
なぜなら、
- 多くの人は保険を使わずに終わる
- 軽い入院・通院では給付額が少ない
- 保険会社は支払総額 < 受取保険料 になるよう設計している
これは冷たい話に聞こえるかもしれませんが、そうでなければ保険会社は赤字になり、制度自体が破綻してしまいます。

「安い保険=悪」ではない
ここで誤解してほしくないのは、安い保険が悪いわけではないということです。
私自身も、必要最低限の保障を割り切って使うのであれば、ネット保険や低価格商品は非常に合理的だと感じています。
重要なのは、
- 保険は貯蓄ではない
- 元を取ろうとしない
- 「起きたら困ること」だけに備える
この視点を持てるかどうかです。

共済という選択肢を知っておく
営利企業である保険会社に対し、共済は非営利を基本とした仕組みです。
私が共済に興味を持ったのも、「利益を最大化する構造ではない」という点でした。もちろん万能ではありませんが、
- 掛け金が比較的安い
- 仕組みがシンプル
- 必要以上に複雑でない
こうした特徴は、40代以降の保障設計を考える上で一考の価値があります。

まとめ|保険は「安心を買うもの」
保険料が安い背景には、必ず合理的な理由があります。そして、掛け金以上の保障を受け取れる人が少ないのも、制度上避けられない現実です。
だからこそ、保険に過度な期待をせず、貯蓄・投資・公的制度と組み合わせて考えることが大切だと、FPを目指す立場として強く感じています。
「もしも」に備えつつ、家計を守る。
そのための冷静な判断材料として、この記事が参考になれば幸いです。


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