こんにちは。40代後半、保険や共済に詳しく、現在FP(ファイナンシャルプランナー)を目指して勉強中の筆者です。
離婚って、気持ちも手続きも大変ですよね。役所・銀行・学校…やることが多すぎて、正直「保険は落ち着いてからでいいか」と後回しにしがちです。
でも僕は、ここだけは声を大にして言いたい。
離婚後の保険・共済は、“後回しにした人ほど損をしやすい”ジャンルです。
理由はシンプルで、保険や共済は「家族の形」を前提に設計されていることが多く、離婚すると契約の前提がズレるから。ズレたまま放置すると、いざという時に「受取人が元配偶者のまま」「扶養が外れていた」「保険料の引落し口座が使えない」など、地味に痛いトラブルが起きます。
この記事では、離婚後にやるべき保険・共済の見直しをチェックリスト形式でまとめます。できるだけ実務目線で、落とし穴も含めて解説します。

まず最初に:保険・共済を「一覧化」する(これが最短ルート)
離婚後の手続きで一番やりがちなのが、
- 生命保険は連絡した
- でも医療保険は忘れてた
- 共済はそもそも加入してたことを忘れてた
このパターンです。
なので最初にやるべきは、加入している保険・共済を全部書き出すこと。スマホのメモでOKです。
書き出す対象(例)
- 生命保険(死亡・収入保障・定期・終身)
- 医療保険・がん保険・就業不能保険
- 学資保険・個人年金など貯蓄型
- 共済(県民共済・こくみん共済・生協共済・職域/労組共済など)
- 火災保険・地震保険
- 自動車保険(任意保険)
- クレカ付帯保険・団体保険(会社の福利厚生)
そして各契約ごとに、次の「4点セット」を確認します。
- 契約者(=名義)
- 被保険者(=保障される人)
- 受取人
- 保険料の支払い(口座/カード/給与天引き)
離婚後のトラブルは、だいたいこの4点セットのどこかがズレています。

離婚で最優先で変えるべき「契約情報」5つ
多くの保険会社は、離婚にともなって必要になりやすい手続きとして、次のような項目を案内しています。
- 住所・電話番号
- 名義(改姓・改名など)
- 保険金受取人
- 契約者(名義)の変更
- 指定代理請求人(医療保険などで、本人が請求できない時に代わりに請求する人)
さらに現実的には、ここもセットで確認したいです。
- 保険料振替口座(引落口座を変更する必要があるか)
- 保険金の受取口座(送金口座の変更)
- 特約の型(「本人・妻型」など、家族構成前提の型になっていないか)
ポイント:「解約するかどうか」の前に、まず情報の整合性を取りましょう。受取人や名義がズレた状態で話を進めると、離婚協議や家計管理までグチャグチャになります。
公的保険の盲点:健康保険の「扶養」と「国保」の切替
離婚で特に多いのが、元配偶者の健康保険の扶養(被扶養者)に入っていたケースです。
この場合、離婚後は大きく3パターンになります。
- ① 自分が就職して職場の健康保険に入る
- ② 国民健康保険(国保)に入る
- ③ 条件を満たして「任意継続」(会社員の保険を続ける)※退職絡みの場合
ここで注意したいのは、国保は「届出日」ではなく「異動があった日」が加入日になるという点。自治体の案内でも、事由発生後の届出期限を明記していることが多いです。
離婚・別居でバタつくと、ここが遅れやすい。医療機関にかかる予定がある人ほど、早めに手当てしておくと安心です。
(メモ)会社員の配偶者の扶養から外れる場合は、会社側で「被扶養者(異動)届」などの手続きを行うことになります。離婚で扶養が外れるなら、元配偶者(被保険者)側の会社にも「いつから扶養を外すか」を共有しないと、手続きが止まりがちです。
年金分割は「2年以内」が原則。忘れると後で詰む
保険の話から少しズレますが、離婚後の生活設計という意味では、年金分割は避けて通れません。
特に、婚姻期間中に第3号被保険者だった期間がある人は、3号分割の対象になる可能性があります。
重要なのはここ。
年金分割の請求期限は、原則として「離婚した日の翌日から2年以内」
この期限を過ぎると、原則請求できません。離婚協議が長引く人ほど、「落ち着いてから…」が命取りになりやすいので、早めに“期限だけ”でもカレンダーに入れてください。
(※制度は個別事情で扱いが変わるため、年金事務所に相談するのが確実です)

共済は「家族のつもり」で放置しやすい。組合員資格を確認
共済で多い見落としは、次の2つです。
- 家族型(家族全体をまとめて保障する設計)で、離婚後に保障対象が変わる
- 組合員(加入者)=元配偶者で、自分は「家族として保障」だった
共済は「保険よりシンプル」と言われますが、逆に言うと、加入経路(職域・生協・労組など)によってルールが違います。
離婚後に必ず確認したいこと
- 組合員は誰か?(名義)
- 保障対象に「元配偶者」が残っていないか?
- 逆に、自分が家族扱いで「保障が消える」形になっていないか?
- 掛金の引落口座は誰のものか?
ここを整理するだけで、「掛金は払ってるのに保障されてない」という最悪の事故を避けやすくなります。
損害保険も忘れがち:自動車保険・火災保険の名義と補償範囲
自動車保険:運転者の範囲が「夫婦前提」になってない?自動車保険は、離婚後に事故が起きてから「やっておけばよかった…」となりやすい分野です。
よくあるのは、
- 運転者条件が「夫婦限定」のまま
- 主に運転する人(記名被保険者)と、実態がズレる
また、等級(割引)を引き継ぎたい場合は、記名被保険者の変更がどこまで認められるかがポイントになります。保険会社の案内でも、配偶者や同居親族など一定範囲で等級を引き継げる扱いが示されていますが、細かい条件は契約内容や会社で異なります。
結論:車をどちらが使うか決まったら、更新まで待たずに保険会社へ連絡。これが一番ラクで確実です。

火災保険:家を出た人ほど要注意(住所変更・名義・補償対象)
火災保険は「家の保険」なので、離婚で住まいが変わると影響が大きいです。
- 賃貸→退去したのに火災保険が残っている
- 持ち家→名義やローン、居住者が変わる
- 家財の補償が、実態と合っていない(家財評価が高すぎ/低すぎ)
特に持ち家は、住宅ローンや団信(団体信用生命保険)も絡むので、保険だけで完結しないケースが多いです。ここは無理に自己判断せず、金融機関や保険会社と一緒に整理するのが安全です。

(ケース)受取人が元配偶者のまま…後で気づいて青ざめるパターン
ここは、僕がFPの勉強や相談事例の情報収集の中でよく見る「典型パターン」を、分かりやすくモデルケースとして紹介します(特定の誰かの実話ではありません)。
Aさん(47歳):離婚後、慌ただしく引っ越し。保険は「自分が被保険者だし大丈夫」と放置。数か月後、保険証券を見返して気づく。
- 死亡保険金の受取人:元配偶者
- 医療保険の指定代理請求人:元配偶者
- 保険料引落口座:元配偶者名義の口座(口座解約予定)
この状態で何かあったら、請求の窓口も、受け取る人も、振込先も“元配偶者側”に寄ったままです。
教訓:離婚後の保険は、保障内容の前に「お金と権限の流れ」を整える。これに尽きます。
離婚後の保険設計:優先順位は「守る順」で決める
最後に、FP目線での優先順位をまとめます。
- 子どもがいる:死亡保障(遺族の生活費)と、働けない時の備えを優先
- ひとりになった:入院・通院より「収入が止まるリスク」を見直す
- 貯蓄型は急いで解約しない:解約返戻金・今後の必要保障を整理してから判断
- 公的保障を確認:健康保険・高額療養費・傷病手当金など、まず“土台”を知る
保険は「不安だから全部盛り」が一番損をしやすいです。離婚後は家計の固定費が増えやすいので、守るべきリスクから順に、必要最小限で組み直すのが現実的だと思います。
よくある質問(FAQ)
Q. 離婚したら保険は自動的に無効になりますか?
A. 基本的に自動で無効にはなりません。ただし、受取人・契約者・住所・支払い方法などが実態とズレると、手続きが面倒になったりトラブルになりやすいので、早めの変更がおすすめです。
Q. 受取人を子どもにしたいけど未成年です。できますか?
A. 多くの保険で未成年の子を受取人にできますが、請求手続きや代理の扱いなど実務面の確認が必要です。保険会社に「未成年受取の手続き」を確認するとスムーズです。
Q. 共済は保険より手続きが簡単ですか?
A. 商品はシンプルなことが多いですが、加入経路(生協・職域・労組など)で必要書類や扱いが違うことがあります。名義(組合員)と保障対象をまず確認してください。

まとめ:離婚後の保険・共済は「名義・受取人・扶養」を最優先で整える
最後に、今日やることをチェックリストにします。
- 加入中の保険・共済を一覧化した
- 契約者 / 被保険者 / 受取人 / 支払い口座を確認した
- 受取人・契約者・指定代理請求人を見直した
- 健康保険(扶養)と国保/社保の切替を整理した
- 年金分割の期限をカレンダーに入れた
- 自動車保険の運転者条件・名義・等級を確認した
- 火災保険の住所・名義・補償対象を見直した
※免責:本記事は一般的な情報です。手続きの要否や必要書類は、加入先の保険会社・共済、勤務先、自治体によって異なります。最終判断は必ず窓口でご確認ください。
この記事が、離婚後の「見落とし」を一つでも減らす助けになれば幸いです。


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