「添加物は体に悪い」とよく聞きますが、具体的に何がどう悪いのか、ご存知ですか？その答えは、私たちの消化器官、特に小腸と酵素に深く関係しています。
今回は、添加物が体に与える影響について、科学的な視点からわかりやすく解説します。
添加物とは？知っておきたい基本的な知識
スーパーやコンビニで売られている食品の多くには、保存性を高めたり、色や風味を良くしたりするために様々な食品添加物が使用されています。
日本では、厚生労働大臣が安全性を確認したものがリスト化されており、使用できる添加物の種類や量が細かく定められています。しかし、こうした規制がある一方で、なぜ「体に悪い」という声が絶えないのでしょうか。
消化できない「異物」が体に与える影響
添加物が体に悪いと言われる最大の理由は、私たちの身体が、それらを「異物」として認識し、適切に消化・吸収できない可能性があるからです。
私たちの身体には、食物を分解・吸収するために様々な消化酵素が備わっています。しかし、食品添加物の中には、これらの酵素が分解できない、あるいは分解しにくい化学構造を持つものがあります。
小腸が受け持つ「最後の関門」
口から入った食べ物は、胃で消化され、最後に小腸で栄養素として吸収されます。小腸の壁には、絨毛（じゅうもう）と呼ばれる小さな突起がたくさんあり、そこから栄養素が血液中に取り込まれます。
しかし、消化しきれなかった添加物は、この小腸の壁を刺激したり、腸内環境を乱したりする可能性があります。その結果、
- 小腸のバリア機能が低下し、本来なら体内に吸収されないはずの物質まで取り込んでしまう
- 腸内細菌のバランスが崩れ、便秘や下痢などのお腹の不調を引き起こす
といった問題につながる恐れがあるのです。
人間が持っていない「酵素」が問題を引き起こす
さらに深刻なのは、一部の添加物を分解するために必要な酵素を、人間が持っていないことです。
例えば、多くの加工食品に使われている乳化剤や増粘剤。これらは、食品の食感を良くするために使われますが、私たちの消化酵素では完全に分解できないことがあります。すると、消化不良を起こしたり、腸に炎症を引き起こしたりするリスクが高まります。
また、着色料の中には、体内で分解される過程で、細胞にダメージを与える**活性酸素**を発生させるものもあると言われています。
まとめ：大切なのは「何を食べるか」を知ること
食品添加物は、私たちの食生活を豊かにし、安全性を保つ上で欠かせない存在です。しかし、一部の添加物が私たちの消化機能に負担をかけ、長期的に見ると健康に影響を与える可能性があることも事実です。
すべての添加物を避けるのは難しいですが、
- 原材料表示をチェックする習慣をつける
- なるべく加工度が低い食品を選ぶ
- バランスの取れた食事を心がける
といった意識を持つことが、ご自身の健康を守る第一歩となります。
今回の記事が、皆さんの食に対する意識を見直すきっかけになれば幸いです。
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